当院では、子どもから大人まで様々な検査を行っております。
知能検査・発達検査(WAIS-IV,WISC-IV,田中ビネーV,新版K式,KABC-Ⅱ)、適応行動の検査(Vineland-Ⅱ)、認知症の検査(長谷川式,MMSE,ADAS)、質問紙(PARS,Conners,ADHD-RS等)…
カウンセリングでは心理療法を用いて、患者様の症状や生活で生じるお困りを解決していくお手伝いをさせていただきます。カウンセリングをご希望の方は医師の診察が必要であるため、まずは受診をお願いしております。対象年齢は、小学生、中学生、高校生、成人の方など、幅広く行っています。
時間:1回につき、約50分程、診察の後に行います。
頻度:1週間に1回、2週間に1度、1ヶ月に1度 …など、ご本人様の状態に合わせて行っていきます。
専門的な知識をもつ心理士に悩みや困り事をお話していただき、よりよく生活していくための方法を一緒に考えていきます。問題点を客観的に整理し、自己理解を深めていくことが必要であれば、心理検査を行うこともあります。自分の気持ちの変化に気づき、セルフコントロールを身に着けることで、症状が和らぐこともあるかもしれません。基本的な方針としては、まずは患者さんと話し合いながら、一緒に良い方法を探していきます。
PCIT 親子相互交流療法(Parent-Child Interaction Therapy:PCIT)
・幼い子どものこころや行動の問題
・育児に悩む親(養育者)
に対し親子のきずなを深め、その質を高めることによってより良い親子関係へ向かうよう働きかけていく、プレイセラピーと行動科学に基づいた心理療法です。
PCITは1970年代、米国でSheira Eyberg教授によって考案・開発され、現在も発展を続けています。
対象者は「言うことを聞かない」「乱暴」「落ち着かない」「ぐずぐすする」などの行動上の問題を有する2歳半~7歳の子どもや、育児困難に悩む親・養育者です。PCITによる治療効果については、すでに多くの研究が行われ、アメリカ心理学会の治療のガイドラインでは、「最も効果の高い治療」の一つとして位置付けられています。
PCITは、プレイルームで保護者が子どもと遊び、セラピストは別室からトランシーバー等を使って親にスキルをアドバイス(ライブコーチ)する、ユニークな心理療法です。1セッション1回60分~90分であり、通常12~20回(3~4か月)程度で修了します。
プログラムは「特別な時間」の中で、親子の関係を強化することを目的とした前半部分(子ども指向相互交流 Child-Directed Interaction: CDI)と、CDIで獲得したスキルを使いながら、よい指示の出し方や効果的なしつけの仕方を指導し、子どもの問題行動の減少をはかる後半部分(親指向相互交流Parent-Directed Interaction: PDI)の2段階に分かれています。それぞれ、親がスキルを勉強するセッションと、実際にスキルを使ってアドバイスを受けながら親子で遊ぶセッションがあり、前半のCDIスキルをマスターすると、後半のPDIに進めます。また、PCIT中にはスキルを実践するために大切な5分間の宿題があり、治療中は家で宿題を行っていただきます。
PCITを修了するためにはかなりの時間とエネルギーが必要なため、保護者の方の熱意が必要不可欠です。しかし、毎回のセッションごとにお子さんの成長が目に見えて実感できるため、PCITを終える頃には、親御さんは自分の子育てに自信を持てるようになっていきます。
CARE(Child-Adult Relationship Enhancement)
C:Child 子どもと
A:Adult 大人の
R:Relationship 関係を
E:Enhancement 強化する
CAREは、PCITの中心概念を少ない回数で学べる、子どもとかかわるすべての大人を対象としたプログラムです。
CAREは現場の声を取り入れたトラウマインフォームドな視点から生まれ、PCITの他、エビデンスに基づいた治療法やペアレンティングプログラムで用いられている考え方に基づいて、2006年に米国オハイオ州シンシナティ子ども病院で開発されました。
PCIT・CAREにご興味がある方へ
対面PCITは、北海道では「札幌」「函館」「浦河」で受けられます。うらかわエマオ診療所は、日高地方で唯一、対面でPCITが受けられる診療所です。診療所には、【PCIT認定セラピスト】【CAREファシリテーター】の資格を持った心理士が2名在籍しています。PCITを受けるためには、事前に心理検査や聞き取りが必要になる場合がありますので、PCITに興味があり受けてみたい保護者の方や、親子にかかわる関連機関の方、CAREにご興味がある方も、ぜひお気軽にご相談ください。