理事長挨拶

 

理事長挨拶  八十川真里子

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私、八十川真里子は2011年6月より2014年3月まで日本基督教団浦河伝道所の教会学校であるノンノ学校の校長をつとめてきました。虐待を受けていたり、親に養育されていなかったり、親が精神障碍者だったりして家庭に多大な苦労がある子供たち、また子供自身が知的障碍・発達障碍で特別支援学級・特別支援学校に所属している子供を、ノンノ学校単独ではなく、浦河べてるの家、浦河赤十字病院、児童相談所、教育委員会、保健所、児童養護施設などで設置する「浦河町虐待防止ネットワーク」の中の一組織として応援しています。浦河べてるの家の先進性に加え、過疎地で児童数が少ないこと、また長年機能していることより、このネットワークは非常に機能がよく、学校や家庭で何かがあった場合こまめに情報が行き来し、きめ細かい対応をしております。
このネットワークの一員として各機関と連携をとりつつ子供たちに接することは、浦河流の支援の仕方を勉強するまたとない機会でもありました。その中で、家庭に苦労を抱えたり、自身が障碍をもって苦労する子供たちに、週1回教会学校のボランティアとして関わるだけでなく、もっと本格的に応援したいと志すようになり、2014年4月より浜松での勉強をすること、そして2015年秋に浦河にて児童精神科クリニック開業することを決意しました。放課後児童等デイサービスの仕組みを使い、きちんとスタッフを雇用して子供たちに応援の手が行き届くように努力していきたいと考えます。また、子供たちの支援には、いくらデイサービスがよくても、それだけでは十分でなく、それぞれの家庭が整うことも大切です。浦河で子育てをする当事者の集まり「あじさいクラブ」に自分自身が所属し、応援されて子育てを実践してきた経験を活かし、子育てに苦労する両親もあたたかく支える仕組みもあわせて作っていきたいと考えています。もし需要があれば、子育てをする家族が住み、家事や心の支援を受けながら生活する共同住居も設立したいと考えております。

浦河は過疎地で少子高齢化が加速しています。児童精神科を開業して20年後も維持できるのか・・・浜松で開業したほうがいいのではないかと考えてきました。買い物、学会などの利便、自分自身の子どもの教育・・・浦河は不便なこともたくさんあります。しかし、浦河べてる及び浦河町の人達が培ってきた人々の交わりのあたたかさ!!都会にはない「私達自身が支えられ、一員として加えられている」と確信できる場の豊かさがあります。日本精神神経学会総会などに参加しても「薬物治療のみに頼らない治療を!」「地域で生活できるサポートと資源を!」「地域連携」など声はあがっていますが、実際は薬物偏重と入院主義からなかなか脱出できない日本の精神医療の現実があります。その中で、当事者が自分自身の苦労と向き合い、研究し、仲間同士支えあいながら地域で生活している浦河の場の豊かさは日本でも有数のものです。私自身、2014年に児童精神科の勉強のために浜松に来て、改めて浦河の精神医療及び福祉の素晴らしさを思い知りました。子供及び家族の応援に関しては既にノンノ学校で30余年、虐待防止ネットワークで10余年の歴史を持ち日本でも先進的な浦河でありますが、児童精神科及び発達障碍の応援に今一層コミットした児童精神科・放課後児童等デイサービスを、子供たちや家族、そしてスタッフの皆さんと一緒に作っていきたいとおもいます。

 

 

H29年8月より院内敷地内、全面禁煙

禁煙外来が始まったため、
院内の敷地内、全面禁煙になりました。
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